カビの種類について
カビは大きく分けると糸状菌、きのこ菌、酵母菌の3つに大別できます。この3種類のカビのうち、人体に影響を及ぼし、対策が必要なのが糸状菌です。
身近な例としては「お風呂場に生えた黒カビ」「チーズの白カビや青カビ」「水虫のような皮膚病の原因となる白癬菌」などが挙げられるでしょう。
糸状菌は顕微起用で見ると糸状の物が絡み合っているため、このような名前がついています。
カビは、胞子が何かに付着すると発芽し、菌糸を伸ばします。菌糸はどんどん伸びて枝分かれしながら生息範囲を拡大。
栄養不足や乾燥すると胞子を作って、空気中に飛び出していきますが、この胞子はまた別の場所で発芽し成長するサイクルとなっています。
胞子は目に見えないほど小さいのですが、目に見えるカビはコロニーと呼ばれ、カビの胞子や菌糸が無数に集まって塊となった状態です。
カビが発生する条件について
カビが発生する条件は栄養、水分、湿度、酸素などがあり、このうちのどれか1つを抑えることで発生を抑えられます。
食品だけではなく、ほこりや髪の毛、石けんカス、シャンプー、垢などの有機物質はカビの栄養になるので、こまめな掃除が重要になってきます。
特に湿度が高くなりやすく風通しの悪いお風呂やトイレ、台所、洗面所などの水回りや寝室の裏側、掃除しづらい家具の裏、押し入れなどの収納部分はカビが生えやすいので注意が必要です。
カビの発生した部屋で生活するリスクとは
部屋にカビが生えていると見た目だけではなく、健康面にも影響を及ぼします。
カビの生えた部屋で生活をしていると、カビの胞子を体内に吸い込んでしまい、鼻炎や気管支炎といったアレルギーや咳、呼吸不全、頭痛、めまいといったシックハウス症候群などの健康被害を受ける恐れがあります。
カビの生えた部屋で生活することは様々なリスクがありますので、カビ予防は徹底的に行いたいところです。
カビを発生させないために行うこととは
カビが生えないように普段からできる対策を紹介します。
こまめな掃除
カビはほこりや髪の毛、食べ物のカスなどを栄養素として繁殖するため、こまめな掃除を行い栄養源となる汚れを取り除くことでカビ予防となります。
こまめな換気
換気をあまりしないでいると室内の温度や湿度が高くなり、カビが生えやすい環境になります。
こまめに窓を開けたり、換気扇を回したりすることで、カビの予防につながります。
室内だけではなく押し入れやクローゼットなどの収納スペースも換気が大切です。定期的に窓を開けて風を通しましょう。
湿度を下げる
カビのほとんどは湿度が60%以下になると活動できません。
除湿機やエアコンの除湿機能を使うことで、部屋全体を除湿できます。収納スペースについては除湿剤を置くといいでしょう。
風通しを意識したレイアウトにする
換気をしても風通しが悪いと湿度が下がらないことがあります。そのような場合は風通しが良くなるようにレイアウトしましょう。
風通しを良くすることで室内の湿度は下がりやすくなり、カビ予防につながります。
結露が出たら放置せずに拭き取る
冬の寒い日など、部屋の温度と外気温に差ができると窓などに結露が発生します。結露をそのままにしておくと、部屋の湿度が高くなり、カビの原因となります。
結露を見つけたら拭き取るようにしましょう。
各場所のカビを発生させない方法
湿気がこもるとカビの原因になるので、日ごろから湿気対策が重要です。天気のいい日は窓を開けて換気し、空気を通してあげましょう。
また、家具を壁に密着させないことが大切です。家具と壁の間に10c身上の隙間を作るようにしてください。
お風呂のカビ対策
お風呂は高温多湿なため、カビが繁殖するのに最適な環境です。カビを発生・繁殖させないためにも、湿気がこもらないように日ごろから換気扇を回すようにして、換気に気をつけましょう。
お風呂がありに50度以上の熱湯をかけカビを死滅させ、次に冷水のシャワーをかけることで、一気に室温を下げることができ、カビが生えにくい環境を作ることができます。シャワーの後は水分を取り除くために雑巾などで水滴を拭き取りましょう。
水気を拭き取る便利なワイパーもあるので、ぜひ一度使ってみてください。
タイルやゴムにできたカビは、キッチンペーパーを当てた上から塩素系漂白剤をかけて、10分ほどそのままにします。素材によっては変色するので、確認してから行うようにしましょう。
キッチンのカビ対策
キッチンは料理などで水や火を使うため高温多湿になりやすいため、カビが生えやすい場所です。シンクの三角コーナーはスプレー式の塩素系漂白剤を使い、つけ置きして最後にクレンザーで磨くとカビがキレイに取れます。
シンクの下は食べ物のカスが入りやすく、湿気も貯まりやすい場所なので、知らず知らずのうちにカビが生えてくるかもしれません。
カビが生えていたら、手袋をしてエタノールを染み込ませた布で拭くといいでしょう。洗浄と殺菌が同時にできます。
その後に水拭き、乾拭きの順番で行えば、カビ臭さも抑えられます。
洗面所のカビ対策
洗面所の周りに排水管があるため、湿気がたまりやすい場所です。湿気対策として水分を抑えることが大切なので、濡れたらこまめに拭き取りましょう。
乾燥した状態を維持することが大切なので、洗面台の扉や引き出しは閉め切ったままにせず、時々開けて換気するようにしてください。
エアコンのカビ対策
エアコンは冷房運転停止後、湿度が85%以上となり、カビの生えやすい環境になっています。
そのため、エアコン内部をしっかり乾燥させることが大切です。
冷房後、エアコンの内部に水分がたまっているので、送風運転を3~4時間行い、エアコン内部を乾燥させます。
送風機能がないエアコンの場合、室温が30度以下の時に、リモコンの設定温度を1番高く設定して3~4時間の冷房運転にしてください。
室温が設定温度以下の場合、送風モードとなります。
エアコンフィルターの定期的なお手入れも大切です。掃除機で吸い取るか水洗いをして、フィルターのホコリを取り除いてください。
押し入れ・クローゼットのカビ対策
押し入れやクローゼットは普段、閉め切っていることが多いため、湿気がこもりやすくカビが生えやすい環境です。
カビが発生して放置していると、押し入れだけではなく収納しているものにもカビが移ってしまい、最悪の場合捨てる羽目になることも。
そうならないためにも、ものを詰め込みすぎないことが大切です。
ものを隙間なくつめこんでいると空気の通り道がふさがり、湿気がこもりやすくなります。
不要なものは処分して、隙間を作るようにしましょう。
また、布団を収納している場合、その下にすのこを置くのも効果的です。すのこを置くことで空気が循環しカビを押さえられます。
クローゼットに一度着た服を入れると、汗による湿気で湿度を上げ、付着した食べカスなどの汚れがカビの栄養源になることも。
基本的に洗濯したものを収納するようにしてください。
スーツやコートなど選択できない服を収納する場合、半日、陰干しして水分を飛ばし、汚れも取り除くようにしましょう。
下駄箱のカビ対策
脱いだ靴には、どうしても湿気がたまりますが、このまま下駄箱に入れてしまうとカビが生える原因となってしまいます。
下駄箱の中身は空気がこもりがちで、湿気もたまり、光も当たりません。
そこに、汗を吸った靴を置くことで、カビが繁殖しやすい環境になってしまいます。
靴箱に入れる前に靴を乾かしたり、除湿剤を置いたり、定期的に下駄箱を開けて換気するようにしてください。
フローリングのカビ対策
フローリングはカーペットや畳と比べてカビが生えにくい特徴があります。しかし、フローリングの上にラグやマット、ゴザ、家具などを敷いたままだとカビが発生することもあります。
対策としてはフローリングとマットの間に防湿シートを敷いて、湿気対策を行ってください。
定期的にフローリングにワックスをかけることもカビ対策になります。
畳のカビ対策
畳は湿気を吸収する性質を持つため、湿度の高い環境が続いたり、手入れせず放置していたりするとカビが生えてしまいます。
カビが生えた畳は黒っぽくなり見た目が悪くなるので、日ごろの使い方や手入れに気を配りましょう。
天気のいい日は窓を開けて風通しを良くするのが効果的です。悪天候が続く場合、エアコンのドライ機能や扇風機、除湿機を使うといいでしょう。
そして、こまめに掃除してホコリや汚れを除去することも大切です。あまり掃除しないでいると、ホコリや汚れを栄養素としてカビが生えてきます。
生えてしまったカビの対処方法
カビ取りには塩素系漂白剤が有効です。塩素系漂白剤に、カビやカビの色素を分解・漂白し、殺菌・消毒します。また、消毒用エタノールでカビを拭き取ればエタノールの殺菌作用で死滅させることも可能です。
ただし、使用は水拭きができる場所に限られます。強力な薬剤のため取り扱いに注意しなくてはなりません。
カビ臭さは炭が効果的。緑茶の出がらしを乾燥させたものをニオイのある場所に置いておいても脱臭効果があります。
部屋にカビが発生すると、様々なリスクが伴います。
カビは条件が揃うとすぐに発生してしまうため、条件が揃わないように普段から換気や掃除が大切ですし、見つけたらすぐに除去するようにしたいところです。
しかし、カビの発生しやすい場所は水回りや収納スペース、手の届きにくい場所など多岐にわたります。また、すでに生えてしまったカビがあると落とすのも大変です。
現実的にすべての場所で、カビのケアを行うのは難しかったりします。
このような場合は、プロのクリーニング業者に依頼してみるのがおすすめです。
高所で手が届かない場所のカビや、根が深くなりすぎて自分では対処できないカビもプロならキレイにしてくれます。